『ぼくのカーテン』自主制作映像作品



本編キャプチャー画面



〔 制作内容 〕

・タイトルデザイン・脚本・演出・イラスト映像制作(2分44秒)

  製作期間:3週間


作品概要

自分探しで苦しんでいた学生時代も、社会人になった今も、根本の自分は呆れるほど昔と変わらないという実感の思いを自作の詩にして、ポエトリーリーディングした映像作品。



『ぼくのカーテン』

カーテン越しの景色は 本当より少しやさしく見えた

白く透けたレース越し 笑い声や泣き顔

結局10年前も今も変わらない

カーテンは一人の僕を置いていかず 包んでくれる


いま僕の姿はさえぎられていて きっと外には見えないだろう

あたたかで孤独な午後の日差し

カーテンにくるまって学校を休んだ

たまに「ぼく」に戻っても 神様は怒らないよね?


きっと、もう僕は笑わない  みんな戸惑うかな

僕がぼくで居られないなら  世界じゅうに嫌われたって良い

大切なものはなんだろう  大人を通り越した気になってる


嫌いなものを排除して 楽になったつもりが

相変わらず僕の笑顔は戻らず

自分探しという言葉も あながち間違いではなかった

変わらず小さなことで迷ってる


窓辺に映るぼくは年老いたような  でも10年前と変わらず其処に在り

またこうして同じ場所で、同じことを考えてるのかもしれない


ぼくはどこに笑顔を落としたんだろう

素直にはしゃいだ日々は  まだ手が届きそうで  じつは遥か向こうで

もうぼくは「ぼく」にすら戻れず  でもまだ一人、カーテンの向こう


僕がぼくで居られないなら  世界じゅうに嫌われたって良い

大切なものはなんだろう  こうやって年老いてゆくのかな


詩:水野歌


(2013年)